外科・肛門外科
外科
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当院の外科においては消化器疾患、肛門疾患を中心とした一般外科対象疾患を主たる診療対象としております。これらは当院のように地域に密着した病院においてはもっともニーズの高い領域です。このような疾患を持った患者さんが受診しやすい診療を心がけております。
しかし外科は生体に侵襲を加える治療が多いので、十分な説明に基づいて患者の皆様に納得していただくというプロセス(インフォームド・コンセント)を重要視しております。いわゆるエビデンス、ガイドラインに基づいて治療方針を決め、必要ならばセカンドオピニオンも気兼ねなく取っていただいて、治療成績はもちろんプロセスに対しても皆様に満足していただける医療を目指します。手術後は地域の病院ならではのきめ細かい診療(アフターケア)によって、完治を目指して皆様の闘病を支援いたします。
2003年11月の移転後、最新機器による検査精度の向上、放射線科や内科など関係各科の協力を得まして手術例も増えました。全身麻酔例の約半数は消化器の悪性疾患(がん)で、胃と大腸が多いのですが、肝胆膵の症例も増えてきております。 2005年からは胃や大腸の早期病変に対して腹腔鏡補助下手術を導入し、悪性疾患に対しても低侵襲の手術を開始しました。ハイビジョン腹腔鏡システムも新規導入いたしましたので、さらに腹腔鏡手術の適応拡大をはかり、体にやさしい外科診療を進めてまいります。
良性の疾患では胆石症や痔疾患、ヘルニア(脱腸)の症例が多く、胆嚢摘出術には腹腔鏡手術、痔核にはPPH、ジオン局注療法、ヘルニアにはメッシュ法などを導入し、在院期間の短縮、早期社会復帰をはかっております。
消化管の出血(吐血や血便)、尋常でない腹痛などの場合は迅速な検査が必要になることが多く、午後からの診察や時間外の診察では十分な対応が困難となりますので、なるべく朝一番の受診をお願いいたします。ご理解ご協力をお願い申し上げます。
- 常勤医師
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役職 氏名 出身大学 専門 副院長
外科部長
内視鏡センター長町田 健 昭和大学 医学部 日本外科学会外科専門医 外科医長
腹腔鏡センター長臼田 磨弥人 山梨大学 医学部 身体障害者判定医(科目:膀胱又は直腸機能障害)
身体障害者判定医(科目:小腸機能障害)外科医 奥村 一慶 北海道大学 医学部 日本外科学会専門医
日本がん治療認定医 - 非常勤医師
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所属先(役職) 氏名 出身大学 専門 新百合ヶ丘総合病院(呼吸器外科 部長)
〔元 帝京大学医学部附属溝口病院
(外科教授)〕松谷 哲行 防衛医科大学校 日本外科学会 指導医・専門医・認定医
日本呼吸器外科学会 専門医
日本胸部外科学会 認定医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡 指導医・専門医
2019年6月20日より当院で肺疾患の手術を行うことになりました。
- 専門分野
- 呼吸器外科一般、内視鏡外科、拡大手術、集学的治療
肛門外科
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当院の肛門外来では、開院以来三大肛門疾患と呼ばれる痔核、痔ろう、裂肛を主に扱ってまいりました。その治療は、当初手術療法のみであったものが、日々改良が加えられることによって個々の患者さん、疾患にあったオーダーメードの治療が選択できるようになってきました。 痔核に対する治療法もそのひとつですが、いわゆる「切らずに治す治療」というものが登場しました。これはALTA硬化療法(ジオン注射)というものなのですが、当院でもこれを採用し一年が経過しましたのでここでその一部をご紹介いたします。
- まず痔核とは?
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肛門の病気のなかでもっとも多いもので、出血、痛み、腫れ、脱出などで気づきます。
原因は直腸の出口の粘膜などを支えている組織が加齢とともに弱くなってくることが大きな原因ではないかと考えられています。 - 内痔核、外痔核とは?
- 直腸、肛門のある境界(歯状線と呼びます)より直腸側にあるか(内痔核)、肛門縁側にあるか(外痔核)、で分けていますが、両方にまたがることが多いようです。
- 治療は?
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- 保存的治療
- 痔核の場所や程度によって治療方法は異なりますが、基本的には、「肛門部を清潔に保つこと」「便の状態を改善すること」にあわせて薬での治療が優先されることが多いようです。
- 根本的な治療に近づけるために・・・。
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従来からある所謂手術療法として結さつ切除術が代表的でありますが、近年さまざまな方法が考案されてきています。
- ゴム輪結さつ療法
- PPH(procedure for prolapse and hemorrhoids)
- ALTAによる硬化療法(ジオン注) など
今回はこのなかで最近特に手ごたえを感じるALTAによる硬化療法(ジオン注)について触れます。
- ALTAによる硬化療法(ジオン注)とは?
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硫酸アルミニウム・カリウム水和物およびタンニン酸を主成分とする痔核硬化剤を痔核内と痔核周囲に局所注射する新しい硬化療法です。
- いつごろから始まったの?
- ジオン注の四段階注入療法が平成17年に厚生省の保険認可を受け、従来の痔核切除法やPPH法に比べて体への負担や入院期間の面から大変優れていることから採用する施設が急速に広がっております。
- 誰でも受けられるの?
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基本的には外痔核には適応がなく、内痔核がよい適応となります。ジオン注は内痔核に対する硬化療法であり、外痔核・裂肛・痔瘻が主体の患者様ではジオン注の適応とはなりません。
前立腺疾患の治療中の方は、前立腺が肛門・直腸のすぐ前のため慎重な対応が必要です。特に、前立腺癌に対して放射線治療を行った方は現在のところジオン注は適応外とされております。腎機能低下が高度な方や、透析中の方も慎重な対応が必要とされます。 妊娠中およびその可能性のある方および授乳中の方は、当院では本治療の適応外とさせて頂いております。脳梗塞や狭心症等で抗血小板剤や抗凝固剤を内服中の方は本治療の前後1週間ほど中止して頂きますので必ず医師に申し出下さい。 - 治療は痛いの?
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麻酔は主に仙骨硬膜外麻酔により肛門周囲部のみの麻酔としており術後1-2時間程度の安静の後に歩行や食事も可能です。
(症状によって腰椎麻酔や局所麻酔等に変更もあります) - 期間や費用は?
- 入院期間は手術日前後1日を含め3日間としております。仕事等で多忙の方は日曜日入院、月曜日手術、火曜日退院の正味2日間の休業で対応可能です。費用は健康保険3割負担の方で入院・手術費用合計で4~5万円程度です。
- まとめ
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以上のように、当院では平成21年度より内痔核に対するジオン注による硬化療法を開始しており、脱出や出血を伴う内痔核に対して従来の痔核切除法およびPPH法とほぼ同等の効果を得ていることから、さらに成績の向上を目指していきたいと思っております。
また、リンクサイト いーじーnet には、痔について詳しい説明が載っていますので興味のある方は是非ご覧下さい。