診療情報管理室
診療情報管理室について
当院の診療情報管理室は、大きく分けて「診療記録の物理的管理(診療録の管理)」と「診療記録の情報管理(診療情報の管理)」,2軸の業務を担当しております。平成15年11月、新病院移転に合わせて診療録管理室として新設され、診療録の質向上を目指し、それまで医事課で行っていた入院カルテ管理を引き継いで入院カルテの量的・質的監査、製本、保管業務および診療録管理委員会の主催をする事になりました。またICD-10コーディングによる疾病分類、統計など各種資料の作成など診療情報の管理も開始致しました。
平成19年のDPC包括医療制度の導入に伴い、DPC準備委員会(=後にコーディング委員会)の開始および厚生労働省に提出する診療情報データ(様式1)の作成を開始し、その際に診療情報管理室に名称変更致しました。適切なDPC包括点数決定の重要な要素である最資源投入(=請求)傷病名の選択のため、入院時、定期請求時、退院決定時等の各ポイントだけで無く、入院中も適宜治療の経過をフォローしています。退院後はいっそう精緻なICD-10コーディング業務および正確な様式1データ作成の為のカルテチェックを進めております。
平成26年11月に紙保管削減を目指し、診療記録内の文書種の洗い出し及び文書種リストの一元管理を実施、一部診療記録の電子署名/タイムスタンプ付与付きのスキャンの運用を開始致しました。入院カルテ保管分対象であった紙文書のスキャンは、従来の入院カルテ監査・製本作業と同時に、外来分のスキャンについては医事課受付エリア内にスキャンセンターを設置して当部署のスタッフがその業務を行っております。平成30年11月の電子カルテ導入以降は電子カルテ内で利用するテンプレートの作成と文書種リストとの紐付けを行っております。電子カルテ導入を機に完全ペーパーレス運用を実現させたため、診療上発生する紙の診療記録の製本作業は外来の一部カルテを除き廃止致しました。尚、電子カルテ運用開始以前のカルテは最終受診日より法律に基づいた院内規定期間、大切に保管しております。
診療情報管理室のスタッフは、直接的な医療行為を行うことはありませんし、患者の皆様と直接お顔を合わせることもありませんが、おひとりお一人に敬意を払い、その方の診療に関する大事な機密情報を預かり、形とする部署としての自覚を持って各々のスタッフが日々業務を行っております。
診療情報管理室業務
- 1)診療録管理業務
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- 退院診療録の点検・製本
- 診療録貸出業務
- 診療録開示業務 (開示資料の準備)
- 診療記録を構成する諸書式の管理
- 診療記録スキャン業務
- 診療録廃棄
- 2)診療情報業務
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- 国際疾病分類(ICD-10)に基づく疾病分類(コーディング)
- 診療記録に基づく、傷病名と診療行為の整合性チェック
- DPCデータ集積、確認・エラーチェック
- 各種統計(時間外診療、救急搬送など)
- 標準病名の統一化
- 全国がん登録事業への参加
- NCD(National Clinical Database)事業へのデータ登録
- 3)各種委員会運営
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- 診療録管理委員会運営
- DPC(コーディング)委員会運営